日本の富裕層 野村総研【世帯別金融資産統計】を読み解く

資産形成

先日のブログに続く最新分析

前回のブログ記事で、野村総合研究所(NRI)が発表した世帯別金融資産統計を分析しました。本記事では、その続編として、追加データや過去18年間の推移をより詳しく掘り下げて解説していきます。

富裕層・超富裕層の定義と推移

NRIは、純金融資産保有額に基づき、世帯を以下の5つの階層に分類しています:

  • 超富裕層:5億円以上
  • 富裕層:1億円以上5億円未満
  • 準富裕層:5,000万円以上1億円未満
  • アッパーマス層:3,000万円以上5,000万円未満
  • マス層:3,000万円未満

2005年には、富裕層・超富裕層の合計世帯数は約90万世帯でしたが、2023年には約165万世帯と増加しています。これは、日本全体の経済が成長し、資産形成が進んだ結果といえます。

野村総合研究所の世帯別金融資産統計とは?

野村総合研究所(NRI)が発表した最新の世帯別金融資産統計によると、2005年から2023年にかけて、日本の富裕層・超富裕層の世帯数は約1.5倍に増加し、純金融資産総額も大幅に増加しています。

この統計は、日本国内の世帯を純金融資産の保有額ごとに分類し、経年的な推移を分析したものです。日本全体の資産状況や富裕層の動向を知るうえで、非常に重要なデータといえるでしょう。

純金融資産総額の増加

先ほどの表から「純金融資産」のみをグラフにしました。

グレーの棒グラフが全世帯の合計となっており、この18年間で大きく増加していることが伺えます。

中でも富裕層・超富裕層の純金融資産総額は約1.5倍に増加し、2023年には約469兆円に達しています。これは、金融市場の成長や資産運用の多様化が背景にあると考えられます。

一方で、この増加がすべての世帯に均等に広がっているわけではなく、特定の層に資産が集中している可能性も指摘されています。

世帯数の増加とその背景

念のため世帯数のみのグラフも作成してみました。

総世帯数も2005年の約4,900万世帯から2023年には約5,570万世帯へと増加しています。この増加には以下の要因が考えられます。

  • 核家族化の進行:単身世帯の増加
  • 高齢者世帯の増加:長寿化に伴い、高齢者のみの世帯が増えている
  • 結婚年齢の上昇:独身世帯の増加

しかし、日本の総人口自体は横ばいか微減の傾向にあるため、世帯数の増加が実態を反映しているのかどうかは慎重に考える必要があります。

データの信頼性と注意点

これらのデータは、各種統計資料を基にNRIが推計したものであり、サンプルがどの程度の人口をカバーしているかについては明確な記載がありません。そのため、データの解釈には注意が必要です。

また、資産額の増加が実際の生活の豊かさに直結しているかどうかについても、慎重に見極める必要があります。例えば、富裕層の増加が示されている一方で、中間層以下の資産形成が十分でない可能性もあります。

まとめ

NRIの統計データから、日本の富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産総額が過去18年間で大幅に増加していることが明らかになりました。

しかし、データの背景やサンプルの範囲については注意が必要です。日本の経済全体の成長とともに、資産形成の格差が広がっていないかどうかについても、引き続き注視する必要があります。

最後まで読んでくれてありがとうございました!

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