皆さんは野村総研のこのグラフをご存知でしょうか?
最近、SNSなどで話題になっている野村総合研究所(NRI)の世帯別金融資産の分布グラフをご覧になったことがありますか?

一見するとピラミッドのように見え、 「富裕層は確かに少ないけれど、それなりに分布しているのでは?」 と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際にグラフを整理して可視化してみると、このピラミッドの実態は想像以上に偏りがあることが分かります。
今回は、この金融資産別の人口ピラミッドをより詳しく見ていきましょう!
金融資産別の人口ピラミッドはほぼ正三角形?
金融資産の保有額別に世帯数を分類したこのグラフ、 パッと見た感じでは「きれいなピラミッド型」になっているように思えます。
たしかに、
- 超富裕層(5億円以上)が頂点
- 富裕層(1億円以上5億円未満)
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満)
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
- マス層(3000万円未満)が底辺
という形で並んでおり、バランスが取れているように見えます。
しかし、ここで大切なのは「このピラミッドのバランスは本当に適切なのか?」ということです。
実際に世帯数と純金融資産の比率を数値化してみると、全く違った風景が見えてきます。
世帯数の分布を見ると…
超富裕層とマス層の差は圧倒的

まず、世帯数を見てみると、
- 超富裕層:11.8万世帯(0.2%)
- マス層:4,424.7万世帯(79.4%)
この差はまさに「圧倒的」ですね。
超富裕層は日本の人口の中で、1000人に2人しかいないレアな存在!
「100人に1人くらいかな?」と思っていた方、残念ながらそれは甘すぎる見積もりでした(笑)。
逆に、マス層は全体の約80%を占める圧倒的多数派であることがわかります。
これをグラフにすると、ピラミッドというよりも「台形」または「針のように尖った山」になります。
保有する純金融資産の割合
次に、金融資産の分布を見てみましょう。

- アッパーマス層から超富裕層までの上位2割の世帯
- この2割の世帯が全体の金融資産の約6割を所有!
「80:20の法則(パレートの法則)」をご存知でしょうか?
- 売上の8割は上位2割の顧客が生み出す
- 売れ筋商品の2割が全体売上の8割を占める
というような現象ですが、今回のデータを見てみると、 金融資産においては「8:2」にはなっていないことが分かります。
とはいえ、 「日本の金融資産の6割は、全体のわずか2割の世帯に集中している」 という事実は、十分に衝撃的ではないでしょうか?
まとめ:見た目と実態のギャップ
今回のデータをまとめると、
- ピラミッド型に見えるが、実際は極端な偏りがある
- 超富裕層は1000人に2人しかいない超レア層
- マス層は全体の8割を占める圧倒的多数派
- 金融資産の6割を上位2割の世帯が保有
「思ったよりも偏りが激しい…」と感じた方も多いのでは?
実際にデータを可視化してみると、「想像していたイメージ」と「現実」との間にギャップがあることがよくわかります。
こうしたデータを正しく理解することで、資産形成や投資の戦略を考えるヒントにもなるかもしれません。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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